第 38 回

利用限度額は増額(増枠)できる?増額の手続き方法や注意点まとめ

阿部倉 弘子

利用限度額は増額(増枠)できる?増額の手続き方法や注意点まとめ

カードローンを利用限度額いっぱいまで借り入れしているけれど、もう少し借りたい。
そんな時「増額(増枠)」という方法があるのをご存知ですか。

今回はこの「増額(増枠)」についてみていきましょう。

増額と増枠の違い

増額とは、今借り入れしている金額に追加で借り入れを行い、借入金額を増やすことです。
増枠は、利用限度額の枠自体を引き上げることをいいます。

借入金額を最初の利用限度額以上に借り入れたい場合は厳密に言うと「増枠をしたうえで増額する」ことになりますが、どちらにしても「利用限度額を増やす」ことになるので、同じように使われているようです。
ここでも「増額」で統一します。

なお増額は、初めに設定された利用限度額内での追加借入とは異なります。

増額するには

増額は自由にできるわけではありません。新規の場合とおなじように、ローン会社に申込み審査に通ることが必要です。

いつから増額の申し込みができるの?

数社のホームページをみたところ「いつから」という明確な決まりはないようです。
ですが一般的に考えて、新規の申し込み後すぐでは「返済の実績が少ない=審査の判断要素が少ない」ことになります。

滞りなく返済を続けて信用実績を積み重ねることで、増額審査にも通りやすくなるのではないでしょうか。

申し込み方法

・ローン会社より「増額審査の申し込み案内」が届いてから申し込む方法
・自分でローン会社のホームページなどから申し込む方法

上記の2種類が主な方法です。
ローン会社によっては「増額案内」が届かなければ、申し込みできないところもあります。

申し込み手段は電話、インターネット、ATM、店舗など、ローン会社によって様々です。
申し込みに必要な書類ですが、50万を超える限度額を希望する場合は「収入証明書」が必要になる可能性がありますので、事前に準備しておくとスムーズでしょう。

審査

審査に通らなければ増額はできません。
増額審査だからといって、新規申し込みより審査があまい、ということはありません。銀行系のローン会社は在籍確認から審査しなおすこともあります。

注意点

総量規制により、借り入れできるのは年収の3分の1までと決まっています。
他社でも借り入れがある場合は、特に注意しましょう。

審査結果によっては希望額通りの増額枠にならない場合もあります。それどころか、利用限度額が減額されることや、利用停止になることもあります。

増額手続きにかかる時間

消費者金融系のローン会社では、申し込み当日から変更可能なところが多いようです。

増額した場合のメリット・デメリット

利用限度額の増額には、メリットもデメリットもあります。

メリット

借り入れ可能額が増えることで、急にお金が必要になったときに利用の幅が広がります。また、借り入れ金利の利率が下がる場合がありますので、支払う利息が少なくなる可能性がある点もメリットになります。

デメリット

逆に、借り入れ可能額が増えることによって、必要以上の借り入れをしてしまう可能性があります。大きな借り入れができるようになることで、借り入れに依存してしまう可能性もありますので、より計画的に利用していく必要が出てきます。

慎重に検討をしてから増額を

増額を希望する場合は、今の借り入れの返済を毎月きちんと行い、コツコツと信用実績を積み上げておきましょう。

もし使いすぎてしまう恐れのある人は、「増額案内」が届いても安易に飛びつかず、よく考えて利用するようにしましょう。

執筆日2023年2月12日
監修日2023年2月13日
執筆者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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