第 14 回

おまとめローンで返済額は減らせる?おまとめローンの条件4社比較

黒川 一美

おまとめローンで返済額は減らせる?おまとめローンの条件4社比較

複数のローン返済でお困りの方、「おまとめローン」をご存じでしょうか?
今利用されているローン会社が2社以上の場合、1社にまとめることで返済の手間が減り、返済額を減額できるかもしれません。

この記事では、「おまとめローン」の特徴や融資条件をご紹介いたします。

おまとめローンの特徴

おまとめローンは借入先を一本化する契約です。借入先を1つにすることで、金利が下がる場合があります。また、返済日が一本化されることで、お金の管理がしやすくなります。

金利は借入額が大きくなると上限が下がります。そのため、借入先をまとめることで金利が下がることが多いのです。

ただ、金利は上限の範囲内でカードローン会社が決めるため、おまとめローンにしても変わらないケースもあります。また、借入額が少額の場合はまとめても金利が下がらないこともあるようです。

なお、おまとめローンは返済することが目的なので、基本的には他社で借入れた分しか借入はできません。

おまとめローンの条件比較

各社のおまとめローンの条件をまとめました。

  A社(消費者金融) B社(銀行) C社(銀行) D社(消費者金融)
おまとめ融資
限度額
1万円~800万まで 30万円~1,000万円まで 10万円~500万円まで 300万円まで
金利 3.0%~17.5% 9.8%、12.5%、14.6% 6.0%、9.0%、12.0%、14.0% 6.3%~17.8%
期間 最長10年
(120回)
10年 1年以上10年以内 最終借入後、最長10年
(1~120回)
年齢 20歳以上 20~65歳未満 20歳~66歳未満、かつ、71歳未満で返済が終わる 20歳以上65歳以下
身分や収入 定期的な収入と返済能力のある方

・前年度の税込年収200万円以上

・正社員、契約社員、派遣社員の方

・指定保証会社の保障を受けられる方

・安定収入のある方(派遣社員、契約社員、アルバイトも可、学生不可)

・指定保証会社の保証を受けられる方

安定した収入と返済能力のある方(主婦・学生でもパート・アルバイト等で安定収入があれば可)

上記の通り、各社の融資額、金利、申込み条件が異なります。

本当に減額できる?

「3社から総額200万を借りた場合」と「おまとめローンを利用した場合」を比べてみましょう。3社からの借入は次のとおりとします。

E社:借入金50万円(返済期間10年)、金利14.5%、毎月7,914円返済
F社:借入金100万円(返済期間10年)、金利14.0%、毎月1万5,768円返済
G社:借入金50万円(返済期間6年半)、金利15.0%、毎月1万72円返済

これをB社のおまとめローンを利用して200万円借り入れると、金利は12.5%、120回払いで、毎月の返済額が2万9,275円となります。

3社で借入れた場合の返済額は毎月3万3,754円ですから、毎月4,479円の減額になります。なお、総返済額で比較した場合は、3社合計約361万円とB社約351万円となり、約10万円減額になります。

しかし、おまとめローンの金利によっては、毎月の返済額が変わらなかったり、増えてしまう場合もあります。

おまとめローンを検討されるときには、ご自身の申込み条件に合う会社を何社か比較して、返済期間と返済額のバランスも確認しましょう。

おまとめローン利用時には必ず比較検討を

おまとめローンは、条件が合えば返済額が減ることもありますが、あまり効果が出ないケースもあります。利用する前に必ずシミュレーションをして、比較検討しましょう。

その他返済等でお悩みの方は、日本賃貸業協会の「賃金業相談/紛争解決センター」という問い合わせ先もありますので、一人で悩まずにまずは相談してみましょう。

執筆日2023年2月10日
監修日2023年2月22日
執筆者 黒川 一美 (くろかわ・かずみ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学院修了後、IT企業や通信事業者でセールスエンジニア兼企画職として働く。
出産を機に退職し、お金を稼ぐ側から家計を守る側に立場が変わり、お金の守り方を知らなかったことを痛感。自分に合ったお金との向かい合い方を見つけるため、FP資格を取得する。
資格取得後は、FPの勉強を通じて得られた知識をもとに、よりよい家計管理を求め試行錯誤の日々を過ごす。
現在は3人の子育てをしながら、多角的な視点からアドバイスができるFPを目指して活動中。

監修者 坪谷 亮 (つぼや・たすく)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

FP(金融)業界の現状を知り、お客様との利益相反を一度も起こしたくないという思いから、2022年にFPサテライト株式会社入社。
個人のお客様だけでなく、法人向けのコンサルティングにも対応するために、中小企業診断士の勉強を経て2021年度に一次試験合格を果たす。
個人、法人両方のコンサルティングを中立的な視点からサポートすることを心掛けている。

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