第 4 回

高額の借入れをしたい!収入証明書の提出はなぜ必要?

上山 美波

収入証明書の提出はなぜ必要?

高額借入れのためにカードローンを申込みする際に、提出が必要となる「収入証明書」。
今回は、収入証明書とは何か、なぜ提出が必要なのかについて解説します。

収入証明書とは

収入証明書とは、その名の通り自分の収入を証明できる書類の総称になります。
代表的なものは以下になります。

・源泉徴収票
・給与明細書
・確定申告書・青色申告決算書の控え
・所得(課税)証明書
・納税通知書(市民税・県民税額決定通知書)

どこの貸金業者でも、申込者の条件に「安定かつ継続した収入の見込める方」を挙げています。安定した収入がなければ、お金を貸しても戻ってこない可能性が高くなるからです。

そのため、一定額以上の借入れを希望する申込者に対しては、その人の返済能力をある程度把握する目的で、収入証明書の提出を求めています。

収入証明書の提出が必要なケース

貸金業法では、以下のいずれかのケースに該当する場合、収入証明書による年収確認が義務付けられています。

・1社での利用限度額が50万円を超える場合
・申込先と他社からの借入合計額が100万円を超える場合

また、上記に該当していなくても収入証明書の提出が求められるケースもあります。

貸金業者は、貸付けの契約を締結しようとする場合、返済能力を調査することが義務づけられています。そのため、過去に提出した収入証明書類が、提出後3年以上経過している場合や、賃金業者が信用が低いと判断した場合には、収入証明書の提出を求められる可能性があります。

収入証明書の偽造・改ざんは厳禁!

賃金業者に収入証明書の提出を求められたが、実際の年収が少なくて融資が受けられない場合に「収入証明書の内容を書き換えれば審査に通るかも?」と思うことがあるかもしれません。ですが、たとえ自分の収入に関する書類だといっても、収入証明書を偽造すると偽造私文書等行使の罪や詐欺罪に問われ、刑法で裁かれることになります。

カードローンの申込の際にも、収入証明書の偽造や改ざんなどは審査で見抜かれますので、絶対にしないでください。

借入の際は収入証明書を準備しておこう

収入証明書の提出は、基本的には高額の借入れを行う場合に求められますが、不要になる条件をクリアしていても、状況によっては提出が必要になります。

スムーズに申込みを完了させたい場合は、事前に収入証明書を準備しておいた方が良いでしょう。

執筆日2023年1月27日
監修日2023年1月31日
執筆者 上山 美波 (うえやま・みなみ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

滋賀県出身。大学卒業後の就職先で人事総務の仕事を担当。主に社会保険の手続きや給与計算を行っていたが、自身の知識不足を痛感し、FP資格を取得。
現在はさらなる知識向上のため、FP1級、CFP資格の取得を目指すとともに、「お金に苦労する人が少しでも減ってほしい」という思いを持って、FPとしての活動を行っている。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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