第 1 回

総量規制ってなに?総量規制対象外となる銀行カードローン

森島 静香

総量規制対象外となる銀行カードローン

カードローンの申込みをする際に関わってくる「総量規制」。
その規制の内容や対象外となる銀行カードローンについて解説します。

総量規制とは

総量規制とは、借り過ぎ・貸し過ぎを防ぐために設けられた規制です。
貸金業法という法律の一部で、多重債務問題の解決を目的に2010年6月に改正が施行されました。
総量規制は、貸金業者からの借入を対象としています。

借入総額は年収の3分の1まで

過度な借入を防ぐため、貸金業者からの借入残高が年収の3分1を超える場合は原則、新たな借入れができなくなります。

総量規制の「除外」・「例外」

貸金業者からの借入れであっても、総量規制貸金業者からの借入れであっても、総量規制になじまない貸付や、顧客の利益の保護に支障がない貸付は年収の3分の1を超えていても、返済能力があると認められれば借入することが可能です。
代表的なものは以下になります。

「除外」
・住宅ローン
・自動車ローン
・高額療養費の貸付、など

「例外」
・顧客に一方的に有利となる借換え
・借入残高を段階的に減少させるための借換え
・配偶者と併せた年収3分の1以下の貸付け(配偶者の同意が必要)、など

総量規制の「対象外」

総量規制の除外、例外の他に、総量規制の「対象外」となる借入があります。
貸金業法の管轄外となる借入れがそれにあたり、代表的なものは以下の借入れになります。

・銀行からの借入
・法人としての借入
・クレジットカードのショッピング枠、など

総量規制の対象外「銀行カードローン」

銀行カードローンは総量規制の対象外のため、収入がない専業主婦の方でも配偶者に安定した収入があれば、借入することが可能です。
しかし、銀行カードローンの過剰融資が社会問題となり、2017年に全国銀行協会が厳格審査への自主規制を開始しました。

現在では、総量規制の対象外である銀行カードローンでも、収入のない専業主婦の方は借入が難しくなってきています。

カードローンの申込みにあたって

銀行カードローンは、消費者金融のカードローンと異なり総量規制の対象外となるため、収入がない主婦の方や収入の少ない方でも低金利で借りられる可能性があります。しかし、昨今多重債務の問題もあり銀行も慎重になり、貸付に際して厳格審査への自主規制を始めています。
以前よりも、ご自身の属性や借入スピード・希望借入金額等をよく考え、慎重に利用しましょう。

 

執筆日2023年1月31日
監修日2023年2月6日

執筆者 森島 静香 (もりしま・しずか)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

京都出身、大阪在住。人材紹介会社勤務。キャリアカウンセラーとして顧客の転職活動を支援中。
中立の立場で顧客の相談に乗る中で、お金に関するより専門的な知識を身につけたいと考え、FP資格を取得。プライベートでも2児の母として、育児を経験しており、顧客目線でわかりやすい情報を届けるFPを心掛けている。

監修者 阿部倉 弘子 (あべくら・ひろこ)
ファイナンシャルプランナー
所属:FPサテライト株式会社

大学卒業後、数年フリーターを経験。その後IT企業へ就職し、システム運用業務に従事。IT企業への就職と同時に始めた一人暮らしで、思い通りに貯蓄が増やせないことに悩んでいた時にFPについて知る。
その後、自身の保険相談や資産運用の相談を通じて、FPの持つ可能性と奥深さに興味を持ち2級FP技能士を取得する。2019年5月AFP認定。現在はIT企業に勤務する傍ら、どんな状況でもお金に振り回されない人生を歩むためのガイド役となるべく活動している。

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